のんびりキングダム

キングダム単行本派

『キングダム』 李牧 ”中華統一"を阻む理由 個人的考察

注意!『キングダム』最新巻までの内容が含まれます。ネタバレが気になる方はご自身の判断にお任せいたします。

 

嬴政の”中華の統一”に反対している人物の一人が李牧です。嬴政も李牧も戦争を世の中から無くす事には意見が一致しています。
以下、李牧がなぜ中華の統一に反対するのかの考察をします。

 

結論は、多民族の中華にとって統一は似合わないから。環境に即した生業、言語、風習、価値観、人種が異る民族が中華内外には多く存在しており、まとめ難い。世界の統一には限りが無いと考えている。

 

李牧は雁門での国防生活から中華内外には異なる人種の民族が存在し、それぞれ現地に即した生業を営み(例 雁門の北方の民は牧畜業、匈奴は遊牧、河川流域の城邑の民は畑作か稲作)、民族の数だけ価値観や言語があると認識している。
上記のことから、民族の個性を無視して法家思想で 1人の君主に全ての権限を与えて全国均一に統治するのは、反発の恐れや民族個性喪失があり危険があると考えているのではないか。また李牧自身、雁門での牧畜業を気に入っている為、中華北部の文化を守っていきたいとも読み取れる。
また、たとえ戦国七雄が統一されて中華の中で戦争が起きなくても、今度は北は匈奴・東は朝鮮半島・西は中央アジア・南は現中華人民共和国南部や東南アジアにいる各民族と国境安定の為に戦争が起きると思われる。つまり、異なる人種の民族が陸地で続いている限り戦争自体がなくならない。長年雁門で匈奴族と接していた李牧は、統一・戦争には終わりが無いと考えているのではないか。

 

 

以上、李牧の中華統一を望まないわけについての個人的考察でした。
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